借り暮らしのアリエッティ(米林宏昌/日本/2010):60点

 アニメーションが綺麗で、小人の視点によるスケール感も面白い。なんとなく観ているだけで楽しいジブリらしい作品。小人と人間の禁断の交流を描くストーリーにはいちおう山場もあるが、シリアスな雰囲気ではないためさほど盛り上がらない。そのため鑑賞後の印象は非常に薄いものだったが、その点もある意味ジブリらしいといえる。

2014年12月05日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プラダを着た悪魔(デヴィッド・フランケル/米国/2006):75点

 上司は悪魔というほど酷い人物ではないし、主人公に関わる人々はやたら親切な人ばかり。世界で最も権威のあるファッション誌”VOGUE"の内幕を曝くというような主旨もない。あくまで女性向けの緩いエンターテイメント作品でる。したがって、オッサンである私が観ても退屈する作品のはずだが、全編を通じるファッショナブルで華やかな雰囲気のおかげで意外と楽しめた。アン・ハサウェイを魅力的な女性と感じる男性ならばさらに楽しめるに違いない。また、ストーリーがいわゆる”ヒーローズ・ジャーニー”と呼ばれるシナリオ型をそっくり踏襲したものになっていてるため、映画を分析的に観たい方へのわかりやすい題材としてもオススメできる作品。

2014年12月05日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戦火の勇気(エドワード・ズウィック/米国/1996):75点

 湾岸戦争を題材にしているが、典型的な戦争映画ではない。戦後に名誉勲章受賞候補者の調査を行うストーリーで、関係者それぞれの食い違う証言をめぐるサスペンスで展開していく。よく考えると非常に地味な内容だが、同じ出来事がそれぞれの証言に基づいて何度も再現される面白さや、デンゼル・ワシントンの重々しい演技による異常な説得力のおかげで最後まで退屈せずに観ることができた。人間ドラマに焦点が当てられ、戦争の悲惨さを訴えるメッセージ性があまり感じられないのは意図的だったのかどうか気になるところ。

2014年12月05日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

羅生門(黒澤明/日本/1950):85点

 芥川龍之介原作小説の映画化作品で、日本の巨匠黒澤明監督の代表作に上げられる一本。タイトルは「羅生門」だが、内容はほぼ「羅生門」と同じ芥川龍之介原作作品「藪の中」を映像化したものであり、「羅生門」からは冒頭と終盤に付け足す形で一部が引用されている。とある武士の死亡に関わった関係者それぞれの食い違う証言と真相から、人間の愚かでエゴイスティックな側面が浮き彫りにされていく。エピローグに至り、中立的な立場で話を聞いてた下人が捨て子の身包みを剥がすという非道な行動を取ることで嫌な気分にとどめを刺される。しかし、最後には人間に希望を見出すとことのできるシーンが用意されているので救われる。

2014年06月02日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バトル・オブ・アトランティス(ジャレッド・コーン/米国/2013):40点

 大ヒット作「パシフィック・リム」の便乗映画でもともと「Atrantic Rim」(アトランティック・リム)とエゲツナイ原題が付けられている。怪獣が出てきてロボットで戦うという当然の便乗ストーリーだが、本家が冒頭から戦闘シーンが始まる終始飽きさせない変則的な構成だったのに対し、コチラはそういうい工夫は一切ない。姿を見せない怪獣に襲われる使い古された冒頭シーンに始まり、無駄に長い会話や本筋とは関係ないちょっとしたエピソードで尺を稼ぎつつ話が展開していく。むろん「パシフィック・リム」やその他の傑作怪獣映画と比べるべくもない作品である。しかし、それなりに迫力のある怪獣が登場し、酷いデザインとはいえロボットも登場し、核ミサイル使用うんぬんのそれらしいくだりも盛り込まれていることを考えれば、観る物の期待に一応は全て応えているといえる。低予算の便乗早撮りC級映画のわりにはなかなかの力作といえなくもない。

2014年05月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[リミット](ロドリゴ・コルテス/スペイン/2010):80点

 地下の棺の中に閉じ込められた男を主人公としたワン・シチュエーション・スリラー作品。冒頭から狭い棺の中に閉じ込められた状況でわけがわからないが、イラクでトラック運転手をしているアメリカ人の主人公がテロリストに襲われ身代金要求目的で埋められていることが比較的早い段階で判明する。その後はおもに携帯電話でFBIやテロリストたちとやり取りをすることによって生存への希望と絶望が交錯しながら展開していく。状況がわからないサスペンスで話を引っ張るのではなく、限られた時間の中で悪戦苦闘する姿で魅せる内容が好印象で非常に面白かった。密室でのワン・シチュエーションを貫いてここまでの完成度は奇跡的ではないかと思ったくらい。映画評論家達が高く評価しているのはよくわかる。

2014年05月23日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

集団殺人クラブ(石川均/日本/2003):30点

 スプラッター・ホラー作品。女子高生の主人公が援助交際相手の男”タケゾウ”をちょっとしたはずみから殺してしまい、友人とともに死体を山中に遺棄するが、なぜか死体が蘇り・・・。女子高生が主人公でスプラッター描写のある不条理なストーリーといえば「自殺サークル」を思い出すところ。また”タケゾウ”という超常的なキャラクターは「リング」の貞子と全く同様の存在であり、特に後半の物語構成はそっくりだといえる。要するに本作は、それらジャパニーズ・ホラー・ブームの中で作られた作品の亜流作品であるに違いない。しかしながら、質の点では先に上げた二本とは比べ物にならないくらい酷いものであり、いわゆる「ツッコミどころ満載」になっている。それをオリジナリティと考えるか、単なるズボラと考えるかは判断の難しいところだが、シリーズ化して結局4本もの作品が作られたことを考えれば、少なくとも企画としては成功したのであり、ジャンルムービーであることを加味すれば決して失敗作と切って捨てることなどできない。

2014年05月22日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ディセント(ニール・マーシャル/英国/2005):20点

 6人の女性が洞窟探検をするという脈絡のよくわかないストーリーは、後半に謎の肉食地底人が登場することによってますますわけがわからなくなっていく。女性集団内の確執を描いた人間ドラマともホラー映画ともつかない中途半端な内容。ラストに至って映画的カタルシスを得ることもできず、いったい何を楽しめば良いのかわからない。英国では評判が良く続編まで製作されたのもサッパリわからない。

2014年05月20日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ミッドナイトクロス(ブライアン・デ・パルマ/米国/1981):80点

 ブライアン・デ・パルマ監督によるサスペンス作品。政治犯罪事件の現場に偶然居合わせた映画音響効果マンが事件の真相究明にのり出す。登場人物の行動がやや不可解で、ご都合主義的な展開も気になり、サスペンス映画としては緊迫感に欠ける。それでも本作がデ・パルマ監督の最高傑作と評されるほど評価が高いのは、デ・パルマ監督の映画手法が遺憾なく発揮されているからだと思われる。

2014年05月20日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

さや侍(松本人志/日本/2011):15点

 松本人志第三回監督作品の時代劇。刀を捨て鞘のみを持つ脱藩浪人・勘十郎の生き様を描いている。前作、前々作が映画の枠から外れた奇抜な作風だったのに対し本作はごく普通の映画作品という印象。意外性に欠けるため、ひたすらつまらない。主演に演技未経験の一般人を起用するというのは松本人志がテレビのお笑い番組で作り上げたノウハウを映画に投入する実験であり、本来ならばそれが最大の仕掛けとなって奇抜な作品になるはずだったところが、結果的にうまく行かなかったのではないか。

2014年03月31日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画短評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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