エイリアンVSアバター(ルイス・ショーンブラン/米国/2011)

 タイトルの仰々しさからかえって内容の安っぽさを予想するところ。しかし、単なるパクリB級映画という程度の心構えでは全く足りないとんでもなく酷い作品である。今どき学生映画でももっとマシなものを作るのではないだろうか。とても21世紀の映画だとは思えない。

 見所が冒頭に集中しているのは、低予算映画ではありがちなこと。エイリアンの地球降下とアバターによる戦闘ロボットの投下というそれなりにSF映画らしいシーンの後、最初の犠牲者となる女の子二人組のおっぱいポロリシーンがあり、そしてエイリアンが女の子のドテッ腹に穴を開ける虐殺シーンとなる。ここまででだいたい9分で、ハッキリ言ってここで観るのを止めてしまっても構わない。

 本編ストーリーの話のベースとなっているのはなぜか”若者がバカンスに出掛けて惨殺される”というホラー映画の定番パターンで、およそSF映画らしくない。改めてSFホラーだと観る側の意識を変えたところで虚しい限り。要するに予算が無いためそこらへんの山の中を舞台としただけという経緯が見え見えになっている。

 宇宙人アバターは、地球へ降下させた戦闘ロボットが故障したため、自らの分身である”アバター”を地上へ送り込んで修理を試みる。そこでバカンス中の若者たちと合流し、エイリアンとアバターが地球へやってきた経緯が語られることになるが、「エイリアン”スカイス”は、もともとノーシャ星に住むアバター種族が作り出した生物だった。しかし手に負えなくなり惑星ヌロビに移住させた。ところが、数世代後に全滅しているはずだった”スカイス”は進化して増殖していた。やがて”スカイス”はノーシャ星を侵略し、アバター種族の生き残りは数百人になってしまった。それでもアバター種族は惑星ヌロビで”スカイス”を始末したが、何体かが逃げ出し、1体がこの地球へやってきた」という壮大な物語背景は回想シーンなど挟まずアバターがペラペラと喋って説明するのみ。このあたりで、いかに鈍感な人でもこの映画がB級映画以下の作品であることを嫌が応にも理解するに違いない。

 いよいよ若者達とアバターは協力してエイリアン退治へ向かうことになっても、冗長な会話と迫力の欠ける戦闘シーンが何回か繰り返されるだけでハッとさせられるようなシーンは一切皆無。クライマックスさえ、戦闘ロボットが唐突にエイリアンを殺害してあっさり終了。エピローグに”実はエイリアンが産んだ卵が残っていた”というお約束のというシーンが登場しても、まるでゾッとしない。本作を評するのに、いわゆる”Z級映画”という表現は当てはまらないのではないかと思う。Z級映画は突き抜けた極端なコンセプトで制作された作品にこそ与えられる呼称であり、本作のように既存の映画のアイディアをただつなぎ合わせて作ったような作品は、ただ単にどうしようもない映画と評価されるべきだと考える。

2013年12月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックするタグ:SF映画

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